ZR1実走レポート No.9
エンジン制御コンピュータのリセッテングその2
実際のZ06/ZR1のリセッティングに関して述べてみたい。
一般的にコンピュータのリセッテングには主に下記の項目が関連する。
- カム交換及もしくはバルタイ変更
- インジェクター交換 容量アップ等
- 加給圧アップ
- O/Hに伴う排気量アップ及び圧縮比アップ
- エアフロ交換
- マフラー交換もしくはタコ足+マフラー交換
以上がよくあるチューニング。
- ミッション及びデフのギア比変更
- 大幅な車輌重量変更
- 燃料の変更
- 水温
まずZ06に関してはノーマル車(含む吸気システム変更程度)もしくは上記の6)に該当する車輌が大半と思われるが、その場合現車セッティングというより良く煮詰まった燃調と点火タイミングマップ2~3パターンに当てはまる事が多かった。もちろんこれは現車の空燃比と点火タイミングと出力を見ながらセッティングを進めた結果で、シャーシダイと実走行チェックの両方を行った事は言うまでもない。現車セッティングという言葉は、何と言うか魅力のある響きを感じるが、Z06の様に改造の少ないNA車は実際のマップ上でのパワーのでるセッティングは概ね決まってくる。後はパワーのでる空燃比と点火タイミングに如何に合わせるかだが、現車セッティングというより現車確認という感じになる。ここがショップとしての腕の見せ所だ。
1986年に製作したC4 Twin Turboは初めてEFIのセッティング行ったが、初めてのEFIでしかも加給エンジンだったので苦労した。また1995年当時のアメリカ車のゼロ400mでは大半がキャブ車だったが、常にEFIのLT5エンジンで参戦してきた。この様に25年以上もコルベットのEFIに取り組んできたことになるが、これらの経験が基盤になった。常に自社のテスト車輌のZR-1やZ06に自らDriverとして実際に走って開発してきた。これらの経験で言えることは、国産車のターボチューンの様に加給圧、インジェクター、カム交換までを含む場合に比べると、Z06等のセッティングは項目が少なく、その点ではやり易いとも云えるが奥は深い。
ZR1の場合も同じく6)のみであれば同様な作業となるが、ノーマルプーリーでタコ足を装着した場合は、加給圧の立ち上がりの遅れが発生する事もある。
また加給圧をアップする場合はスーパーチャージャープーリーもしくはクランクプーリーの交換となるが、入手できるプーリーも市販されているサイズは限定されてくる。小径スーパーチャージャープーリーはノーマルの3インチ径に対して2.35インチもしくは2.60インチの2種類となる。クランクプーリーはATI社の14%オーバードライブとなるので、単独もしくは上記の2.35インチもしくは2.60インチと組み合わせた場合の加給率のアップは各々14%, 19%, 32%, 50%辺りとなってくる。加給率19%アップ(710馬力仕様)は現在テスト中だが、まもなく32%アップのテスト予定。
Z06/ZR1のコンピュータのリセッティングは完全なノーマルZ06、マフラー交換Z06、620馬力Z06、ノーマルZR1、マフラー交換ZR1、加給圧アップ710馬力ZR1まで実走テストを基に開発してきた。加給率32%アップで800+馬力ZR1が現実となる日は近い。
新たなウイング。材質はDryとWet Carbon製でMade in Japanとなる。
Z06/ZR1のボデーに上手くマッチする取り付け高さと、ステーの位置を検討中。
同じく横から。
高さは効率ギリギリで低めにしたい。
市販は3種類のウイングと2種類の高さのステーを予定している。
Type1 3Dタイプ Dry Carbon製 比較的に安価で発売したい。翼端板付き。
Type2 上記の画像のタイプ Dry/West 2種類のCarbon製
Type3 GTレース主流タイプ かなり厚めのデザイン。 Dry/Wet 2種類のCarbon製 画像はまもなく公開予定。翼端板付き。