ZR1実走レポート No.5
ZR1の車高は最新バージョン。低重心化と前後のダウンフォース増加で、走行安定性はメーター最後まで余裕で踏めるレベルに達した。外装はフロントアンダーパネルとリアDiffuser以外すべてノーマルだ。リアバンパー下の出っ張りがリアーDiffuser。よりダウンフォースを得るため改良型フロントアンダーパネルとリア周りの製作に取り掛かかっている。ZR1の最高速を30km以上 上回る速度域での安定性を得ることを目標としたSplitter, Diffuser, Wing等を早急に完成させたい。
さてダウンフォースは前後のバランスが大切。因みにZR1のフロント部分にアンダーパネルを装着し、リアには若干背の高いZR1タイプのスポイラーを装着した場合、前後ダウンフォースの増加は約150%アップと約230%アップとなるデータがある。その場合、最終的なダウンフォースの前後バランスは47:53となる。Z06/ZR1共に高速走行時でやや前下がり位がバランスのとれた良い姿勢だ。因みにZ06のフロントリップスポイラーに上記の背の高いZR1のリアスポイラーを組み合わせた場合のダウンフォース増加は前後で0.4%アップと291%アップとなり、リアのダウンフォースが極端に大きくなる事で前後バランスが崩れ、操縦安定性にも影響を及ぼす可能性がある。
ZR1グローブボックス内に東名製空燃比計を装着している。基本測定はHORIBA製で行うが、小型でグローブボックス内に装着できる車載型は便利だ。中央はGM製Tech2。コルベットの整備には不可欠でテスト走行時もリアルタイムでデータがチェックできる。
グローブボックス内には空燃比計とETCを取り付けている。
グローブボックスを閉じた状態。素っ気無い感じだが機能重視だ。
運転席の足元。ペダル類はノーマルだが左端のフットレストは製作した。やはり素っ気無く無骨だが、踏ん張れる丈夫さがコーナーでは効く。
運転席周り。ショートストロークシフターとレカロバケットシート以外はノーマル。シートレールはGM製をベースにするのが良い。Z06/ZR1はかなり着座位置が後方だが、バケットシートにすることで後輪の挙動が掴み易くなる。また座面が落ち着くことで、安定したブレーキングとアクセルワークが可能だ。
左右ともレカロのバケットシートを装着したが、両方で28kgの軽量化ができた。ZR1は左右ともパワーシートなので左右合計で48kgになる。Z06はDシートのみパワーなので数キロ軽い。レカロはベースとスライダー等込みで10kgX左右=計20kgに収まる。シートベルトはノーマルを使用する。
これが洗礼を受けたスーパーチャージャー本体だ。現車のものではなくスペアパーツとして輸入した。ZR1の場合、スーパーチャージャーの部品はNo Serviceパーツ扱いとなっているので、一切のサービスデータや部品の供給が無くアッセンブリーでの供給となる。重量はこの状態で約27.5kgとかなり重い。上に装着するインタークーラー部分が約10kgとして合計で約38kgとなる。さらに水冷式のHeatExchanger(要はインタークーラー用ラジエター)とサブタンクと配管等一式で約10+kgとすると合計では50kgを超える。因みにNAのZ06は樹脂製インテークマニホールドのみなので、その重量は約5kgとはるかに軽く重量差はなんと45kgとなる。この辺りにもZ06の良さがある。
スーパーチャージャー本体を前から見た状態。プーリーは圧入されているので取り外す場合はプレス作業が必要となる。
同じく助手席側から。上面の白いカバーの下にローターがある。
後方から。中央下側にオイル用のドレンがある。ZR1ではスーパーチャジャー用オイルは交換不要となっているが、やはり回転部分である以上優れたオイルでメンテナンスが必要と思う。尚、オイルはスーパーチャージャー用オイルのみ使用可能となるので、高品質で抵抗の少ないスーパーチャージャー用オイルを探してテストしたい。またオイル交換を容易に行える様なパーツの開発を考えている。
スーパーチャジャー裏側。
スーパーチャージャーローター部分。
プーリーの脱着時には特に細心の注意が必要。
駆動用プーリーの比較。左側が高加給用小径プーリー、」右側がノーマルプーリー。約30%以上の増速が可能だが、装着には難しさがある。経験上、クランクプーリーを大径に交換する方が容易と思う。
ノーマルの約2倍の容量のあるインタークーラー用Heat Exchanger。ZR1は水冷式のインタークーラーを採用しているので、その冷却液を冷やすラジエター。エアコンコンデンサーの前に装着されるので、あまり大きいとラジエター本体の冷却を妨げる可能性もある。
ZR1に採用されたフロントバンパー補強用部品。ZR1用マウスピース。これはKatech社製で形状はGM純正と同じだが厚くて丈夫な構造が特徴。
おなじく上からみた状態。Z06に装着
可能なので、柔なフロントバンパーの補強には不可欠だ。