Z06/ZR1のタイヤバランスと2009 Z06
完全な200マイル対応タイヤバランスを目指して
Z06/ZR1のタイヤ作業
Z06/ZR1は325/30ZR19~335/25ZR20が標準となるが、これは極めて大きいタイヤサイズといえる。例えばスーパーカーですら標準で325mm以上のタイヤ装着車となると、ポルシェGT2、フェラーリEnzo、ランボルギーニの一部モデルのみとなる。対して国内のZ06/ZR1は、合計で300台近い台数となると思われる。つまりZ06/ZR1を専門に取り扱うと、325mmや335mmのタイヤ作業が、日常的に必要となる訳だ。
更に325mm~335mmサイズで、19~20インチのランフラットタイヤとなると、タイヤの組み換え作業が困難となる事も少なくない。実際タイヤショップでも、325mmや335mmでランフラットタイヤの作業経験は、極めて少ないのが現状だろう。Z06/ZR1の実際のタイヤバランス取り作業について述べてみたい。
実際のタイヤバランス取り作業
2009年式Z06のタイヤバランス取り作業の様子だが、最終的にイン/アウトで0gと1gに収まった。もちろんこの数値は一度だけの測定ではなく、最終チェックで2回バランス測定を行ったが±1gの範囲内、かつウエイトの貼り付け指示位置もほぼ同位置に収まった。ここに至るまで1本のタイヤで、合計8回のバランサー装着とバランス測定作業を繰り返した。内訳は、最初に2回の測定でアンバランス箇所チェック、次に裏面のバランスウエイトを仮貼り付けで2回測定、次は表面で同様に2回測定、最後のチェック測定を2回だ。上記の通り8回のバランサー装着も繰り返した。同様に他の3本の作業で、合計32回のタイヤバランス測定を行ったが、全て3g以下に抑える事ができた。尚、バランサーがOKマークもしくは0gが表示された場合は、詳細表示ボタンを押し、更に正確なウエイト量をチェックする事も必要だ。
それとホイールの固定(センター押し固定)では、ラバータイプと表センターコーンタイプ共に誤差が少なくなかった。最終的にはGMコルベット専用120.65mm5本ハブBolt式アタッチメントを独自に製作し、裏センターコーンと組み合わせて使用しているが、この固定方法を採用後はバランス測定精度が飛躍的に高くなった。当然バランサー本体の精度が高い事が絶対条件となるが、最近導入したCEMBバランサーの精度は価格に見合うだけの価値は十分にあった。
以上の通り325mmや335mmの大きなタイヤで、完全な200マイル対応バランス取りを目指すなら、8回/1本で合計32回程度のタイヤバランス測定作業が必要になると思う。
もしZ06/ZR1のタイヤバランスや、足回りからの振動等問題がある場合は、お気軽にお問合せ下さい。
2009 Z06 サスペンション
2009年式Z06 ビレットナックル、調整式スタビ、リーフスプリング併用コイルオーバーサス、上下アームのスフェリカルブッシュ、OSデフ、ZR1クロスレシオ6MT、Ron Davisラジエター、防音対策、吸気システム、ロールケージ等々を装備。国内で最も完成度の高いZ06の一台だ。
2009 Z06とWEST ZR1
Cyber Greyの2009 Z06とWEST ZR1(ZR1 WEST号)。エンジン以外は極めて近い仕様となる。スプリング形式、ビレットナックル、ショックの減衰力、マフラー等、ほぼ同じ仕様だが、乗り味は若干異なり Z06の方が硬く感じる。
理由として考えられるのは、
- COILスプリングレートはZ06の方が若干高く、車輌重量はZ06の方が50kg程軽い。
- Z06にはPFADT製のRacingタイプのスタビKITが装着されている。
- ブレーキキャリパーとローターの合計重量はZR1の方が10kg以上軽い。
以上の通り、ZR1は車輌重量が重く、逆にバネ下重量が軽いのと、コイルスプリングレートが若干低い事で、乗り心地がソフトな感じになったと思われる