Z06/ZR1のエンジンOIL粘度
エンジンOIL粘度
この週末は台風12号の接近で風雨対策等に追われた。
ところで、C4コルベットからエンジンOILはMobil1の5W-30が指定となっているが、このOILは特に粘度が低い印象が強い。Spec表では油温100度での動粘度は約10となるが、他メーカーの日本製5W-30 OILと比べても動粘度が低いのが特徴だ。
一番の理由は燃費を稼ぐ為と思われるが、これまでC4 ZR1でサーキット走行や谷田部最高速チャレンジでは、より高粘度のOILを使用した。
具体的には1987年頃よりトラストのF2 15W-50を主に使用してきたが、L98、LT1、LT5共に好結果を残せた。
その後C5 Z51ではストリート中心だった事もあり、やや低粘度の5W-40(Mobil1 5W-40、WAKO’S 5W-40、トラスト0W-40等)を中心に使用した。
その後2006年にZ06を導入してからも、強靭な油膜なら低フリクションOILがベストと考えWAKO’Sの4CR(5W-40と0W-30)等を使用してきた。
ところで最近エンジンOILの粘度に関して、従来の潤滑と低フリクションを中心とした選択方法だけでなく、ピストンクリアランスに合わせた粘度で、シーリングを重視するという考え方を加えた。
1ヵ月前の8月初旬に、幹部こと大川氏とアッシュOILの岸野氏にご来社頂いたが、岸野氏からエンジンOIL粘度の選択方法として、ピストンクリアランスとの関連性の重要さをお聞きした。実際にZR1のLS9と、Z06のLS7のピストンクリアランス及びメタルクリアランスデータを見て頂いたが、当然クリアランスは日本車に比べて大きく、Z06/ZR1にはかなり粘度の高い10W-40が必要との結論だった。
つまり大排気量エンジン用のOILは、潤滑と低フリクションだけでなく、シリンダーのピストンクリアランスに合わせた粘度を選ぶ事で、シーリングが改善され、出力とトルク感が出るという考え方だ。当初は粘度の高いOIL使用にためらいを感じたが、TESTとしてアッシュFSE 10W-40使用してみる事にした。
さて1ヶ月を経過したが、結果は良好で今後も継続使用する事に決めた。
本来ZR1はZ06に比べて排気量が10%小さく低圧縮な事もあり、加給圧が掛かるまでは良く言えば軽く吹け上がったが、トルク感に関してはあまり無かった、というのが率直な印象だった。(これは加給圧が掛かるまでで、加給圧が掛かるとずばり速い。)ところがアッシュFSE10W-40を使用した事で、この感じがかなり改善され、エンジンのつきが良く力強さが出た様に感じた。また加給圧が掛かった高回転域での重さも特に感じなかったので、結果良好と判断した。引き続きアッシュFSE 10W-40のTESTを継続し、色々な走行状態での様子をみる事にした。