Z06実走レポート No.18
実走レポートの再開
Z06の開発は続いている。最近ではNew620馬力カムシャフト、カーボンHOOD、TOYO製Sタイヤ等が新しく入荷した。
まず620馬力NewカムシャフトKIT。これには驚いた。度数はほぼ同程度ながら一割近いハイリフトなので、高回転のパワーアップは期待出来る反面使い辛さを覚悟した。ところが良い意味で予想に反した。理屈に合わないかもしれないが、実は乗り易くしかも速い。特に4000回転以上でのトルクの乗りが良くフラットな感じだ。主な変更箇所はカムとスプリングだがデザインが全く違う。それに合わせてECMもNerwプログラムになっている。この辺りが功を奏したのだろう。更に驚いたのが、アイドル時の排気音と振動が減った。これも理屈に合わないが事実だ。これなら一般道でもかなり乗り易いレベルと期待できる。
このNewカムKITを組み込んだ第一号車は、札幌より入庫した赤色のZ06だが、完成と同時におそらく日本で一番速いZ06になった。率直なところ、黒のWEST Z06よりも速く乗り易い。WEST Z06も早速カムシャフトを交換をする事にする。この速さと乗り易さで、Z06は今後はこのカム交換が主流になるだろう。
加給ZR-1の発売が待たれるが、このカム交換で一足先に620馬力が体験できる。トルクはZR-1に及ばないだろうが、80kg軽量なZ06(カタログ車重で1440kgと1520kg)と620馬力の組み合わせは十分に魅力的だ。
余談だが、ZR-1の車重は1520kgと発表されたが、80kgの増加は少し疑問だ。スーパーチャージャーとインタークーラー、それぞれ1インチアップされたタイヤとホイール、驚くほど大径なカーボンブレーキ等が主な変更点らしいが、80kgの重量増加は大き過ぎると思う。加給機関連で25kg~30kg、タイヤホイールで10kg、ブレーキで4kg位として40kg程度に収まるはずだろう。
具体的には、加給機関連の詳細は不明だが30kgが最大の数値と思う。タイヤはミシュランPS2だからかなり軽いはずだし、ホイールも軽量に見える。よって重量増加は2.5kg/本辺りだろう。最後にブレーキローターは大きいがカーボンローターは鋳鉄ローターとは比較にならない位軽い。おそらくベル込みでも6kg程度のはずだ。Z06のFローターの実測重量は11.9kgだったのでローター関連だけでも6kg/本近い軽量化になるはずだ。キャリパーが大きくなるがそれでもローターが軽くなる分でお釣りがくるはずだ。
となると80kgの重量増加は疑問だ。リアのトラクションを稼ぐ為に重くしているのではと考えたくなる。Z06は確かに面白い車だが、荒削りな所が少なく無く、煮詰めが必要なのも事実だ。その部分に手を入れて欲しいと思うのだが如何だろうか。加給する事で馬力を大きくするだけではなく、乗りやすさとしなやかさを考えて煮詰めて欲しいとZ06オーナーとして思う。
近日中にTOYO製Sタイヤ295/335サイズのリポートとカーボン製HOODの放熱効果に関してのレポート予定だ。