Z06実走レポート No.16
納車されてから1年と4ヶ月が経過した。軋み等の小さな雑音は気になるが、特に大きなトラブルの発生は無く好調だ。走行距離は伸びず6000km程度だが、エンジンの初期慣らしはほぼ完了したと判断している。実際、3速全開時の吹き上がり方はレブまで一気に吹き上がり、特に6500~7000回転は一瞬で到達する。いずれサーキットもしくはテストコースで、4速及び5速で7000回転までを試したいと考えているが、最高速度に関しては330km超が確実だろう。
この速さは、これまでに乗ったスポーツカーの中で最も速いと云えるが、同時に注意が必要だ。特に路面の凹凸が多い一般道で、Z06の全開加速を試すのはかなりリスクがある事を経験した。先日もチューンドGTーRのオーナーに同乗して頂いたが、同様の指摘を頂いた。つまり後輪2駆のスポーツカーとして、かなり限界に近いと判断すべきであろう。同時にこれが魅力になっているのも事実だ。ある意味では7L ACコブラや河豚の肝に通ずる所かもしれない。もしZ06オーナーで、2速や3速の全開加速で怖さを感じないなら、そのZ06はまだまだ速くなる可能性が大きいと期待出来るので、是非WESTに来てください。
Z06専用パーツ
(1). WEST製Z06専用マフラー改良型
アイドリング時、低速走行時では静かで、高回転では豪快に吹け上がり、高出力を目指した改良型Z06専用マフラーがようやく完成した。大型マフラーを2個装着でアイドリング時の音量とこもり音を抑え、同時にメインパイプの曲がりを緩くする事で高回転での出力を確保したのが特徴。またマフラー本体のパンチングの開口率とステンレスウールの材質変更で、音量を抑えながら甲高さも出るようになった。 重量は4kg程度増加したが、長時間ドライブでの快適性が確保できた。近日中に画像掲載予定。仕様、納期等はお問い合わせ下さい。
(2). Z06用ショックアブソーバーの強化タイプ追加発売。
ビルシュタイン製の2種類のZ06専用ショックアブソーバー、タイプBとタイプCを追加した。
タイプA | ビルシュタインショックアブソーバーで昨年より発売中。 Z06ノーマルショックに比べて、後輪伸び側の減衰力を高くしたのが特徴。 全開加速時と高速での安定性の改善効果が確実に得られる。1インチ程度の車高下げにも対応。しなやかで乗り易く、装着はノーマルショックと互換性が有り簡単に交換可能。 |
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タイプB | ノーマルショックの交換タイプ。減衰力を見直し安定性とコーナリング性能の向上を得た。縮み側の減衰力を見直す事で、ノーマルに比べてハードだが、しなやかさも備え乗り易さとスポーツ性の両立を目指した。1インチ程度の車高下げに対応。従来のビルシュタイン製ショックアブソーバーより、硬くしっかりした乗り味が特徴ノーズダウンやロールも減少。ノーマルショックと互換性が有り、簡単に交換可能。高グリップタイヤとのセット装着がお奨め。 |
タイプC | 競技に使用可能。補助スプリングを装着可能な構造で、20kg/cmまでのレートを設定可能。上下マウントはスフェリカルタイプとなり剛性と確実な作動が特徴で車高調整機能付きとなる。ロールケージとの併用が理想で、スリックタイヤ装着でのサーキット走行には必需品。装着にはアッパーマウントの補強等改造が必要。 |
(3). デフからの異音
最近、複数のZ06オーナーからデフの異音トラブルを聞いた。特に低速でコーナーを曲がる時にデフ付近よりガッガッといった感じで聞こえてくる異音だ。これは故障ではなく、LSDの作動音と考えられるが気持ちのよいものではない。確かにコルベットのデフはC3時代から決して無音ではなく、低速コーナーではよく音が出た記憶がある。C3~C4時代はアメリカのDana製、C5以降はゲトラグ製が装着されていたが、LSDもDana製からゲトラグ製のLSDに替わって随分と良くなった印象があるが、やはり作動音は出るようだ。
さて対応策だが、各ディーラーでもLSDからの異音に関しては、対応されているようなので問い合わせるのが良い。OIL交換や多めに添加剤の注入、といった改善策で対応してもらえるようだ。それでも改善できない場合は、デフOILで相性の良いものを使用するのがお奨め。注意したいのは、必ずアメリカ製のLSD用デフOILを使用する事が無難だ。経験的にはレッドライン製デフOILで好結果を得た。