Z06実走リポート No.4
Z06は1400km走行した。気温の低下に伴い水温も下がったが、基本的にラジエターの容量不足が原因で水温変化が大きい。しかし走りは
間違いなく速く面白い。9月末に入荷予定の大容量ラジエターへの交換が待ち遠しい。
因みにC5Rブロックを使用して組み上げたC5の水温を確認したが、28度程度の外気温でも85度までで安定していた。尚OILクーラーは水冷式を装着した。この経験から水温が高く、油温が低いZ06には大容量ラジエターと水冷式OILクーラーを装着が良いと判断した。水冷式OILクーラーは設置場所の自由度と、油温管理が楽なのが特徴だ。
尚、OILクーラーホースの取り出しブロックはC5と極めて似ているが、オリジナルに交換の予定。従来のC5用ブロックは内径も小さく、パイプを溶接して作られていたがWESTオリジナルブロックはアルミのブロックから削り出して製作した。
さて現在入荷済みZ06専用パーツは、低温サーモスタット、大容量エアークリーナー、1 7/8″タコ足、CORSAマフラー、OS技研製LSD、EXEDYツインプレートクラッチ等。価格と詳細はお問い合わせ下さい。また競技専用部品としてBremboレースブレーキKITが入荷済み。
まもなく入荷するのがBorlaマフラー、大容量ラジエター、水冷式OILクーラー、改善型Xパイプ等々の予定。尚、競技専用部品としてルマンシリーズ用C6レースカー用ボデーパーツが入荷予定。価格と詳細はお問い合わせ頂くか、HPをご覧下さい。
アライメントに関してのテストはキャンバーをFR共に0.5度程度多めに設定したのと、トーインをFRでそれぞれ1/2.5ミリに合わせてテストしたが、峠でかなり踏めた。高速での直進性もノーマル時と比較して問題が無いと判断した。タイヤはPS2で空気圧は冷間時2.0/2.0、走行後は0.3kg程度上昇したが、個人的にはPS2と低めの組み合わせが走りやすいと思う。RE050も良好だが、PS2は重量が軽いのが魅力だ。期待のカムシャフト交換、馬力測定は10月初旬を予定。
オイルクーラー取り出しブロック、黒い方がWESTオリジナル、右側がアメリカ製。エンジンブロック左下に取り付けて、OILクーラーホースを接続する。WESTオリジナルの方は#10ホースが接続できるようアダプターも#10と太くした。白い方は#8用のアダプターがパイプの先に付く。パイプを溶接したアメリカ製パーツの形状を見直し、強度も必要と考え17Sアルミブロックから削り出した。目立たない部分のパーツだがエンジンにとって最も大切なOILクーラーホースを配管する部分だけに強度も必要と判断して製作した。
Z06のエンジンルーム助手席側。バッテリーが後部に移動された恩恵で広く感じる。右側の太いタンクはドライサンプ用のOILタンク。OIL交換時はここから注入する。左右の重量バランスを考えると、水冷式OILクーラ-本体はこのあたりに装着したい。但し問題点としてエンジンブロックのOILクーラーホース取出しが反対側に有ることだ。C5のLS1での経験だが、OILクーラーホースの長さに油圧が敏感に関係した。配管の長さは短い方が油圧低下が少ない、忘れてはならない大切な基本だ。(※写真左)
エンジンルーム側面のインナーフェンダーも以前のコルベットとは違いすっきりした印象だ。エアフロは純正のままだが、吸気ダクトをエアークリーナーの交換に伴いより太く抵抗の少ないタイプに交換した。この吸気ダクトは100mmのアルミパイプを加工、エアフロ用マウントは溶接して取り付けた。C5同様Z06においてもエアクリーナーと吸気ダクトの改善は最も効率の良いチューニングといえる。熱対策、吸気の改善、効率の良いマフラーへの交換がお勧めだ。(※写真右)
ワイパー付近の写真だが、エンジンルームの熱を少しでも抜こうとウエザーストリップラバーを取り外した。フロントガラスからの水滴の進入を防ぐ為かかなり背の高いラバーが装着されていた。C6コルベットで各部が改善されている事も確認できたが、熱対策に関しては疑問な箇所も少なくない。前述したが、Z06チューニングのまず第一歩は熱対策に尽きると思う。実際、この部分のラバーをはずし、フロントバンパーの空気取り入れ口を改善しただけでかなりの効果が確認できた。正直な所、改善と云うより穴を確実に開けただけだ。テストとしてアイドリング状態でフロントバンパーの空気取り入れ口からエアーを吹き込むとラバーをはずしたワイパー付近から勢いよく熱気が吹き出た。まもなく発売予定のC6用ドライカーボンボンネットは空気の流れを重視した構造にした。