Z06実走レポート No.2
(1). 800km走行、標準装着タイヤは走行音が大きく決してグリップも強力とはいえないが、高速域での安定感はかなり良好で踏めた。空気圧はやや低目2.0kg弱が好印象。ブレーキは効きに不満はないので軽量化が今後の目標と思われる。軽量化で外せないのがタイヤ/ホイールの重さ。気になるので測定した所F23.5kg R27.5kgとかなり重め。早速、TE37とミシュランPS2の265と295に履き替えF3.5kg、R6kgで合計19kgの軽量を達成。明らかに走りが変わった。尚、ブレーキ部品の重量測定結果はFローターは11.8kg、Rローター9.6kgと重め、但し2ピースタイプのローターの場合ベルとキャリパーが接触する事が判明し対策を検討中。
(2). 走行中の雑音が多いのが気になる。まずマフラーあたりのゴトゴト音はデフ前の吊り金具の遊びが原因、金具を製作し締めると消えた。フロアーカーペットの下の防音材も問題。試しに毛布を3枚敷き詰めて走行したが、かなりの効果が確認できた。優れた国産車用の防音材をC6にあわせてカットし取り付け予定。重量増は+10kg以内に収める予定で、落ち着いた乗り味を目標に開発中。
(3). フラーホイールの重量は11.8kgから約4kgの軽量化で7.8kgを達成できた。左右シート重量は23kgと19kg、Z06専用レールとレカロを装着し左右で約20kgを軽量予定。
(4). C5と同一基本設計のゲトラグ製デフケース、より剛性アップを目指してケース補強金具を試作予定。またOS技研製LSDの装着、これには左右の強化シャフトも含む。
(5). エンジン関係では616馬力KITが入荷、内訳はカム、コンピュータ、排気、吸気の部品で構成されている。7月末よりキットの組み付けと軽量ブレーキ部品の装着に入る予定。
GM製のZ06用LS7エンジン入荷。CNCポート研磨仕上げ、ヘッド付きでエンジンベンチにて作動テスト済み。組み立て担当者の氏名が記された、プレートが付く等、気合の入ったエンジン。(※写真左)
Z06専用前輪用ブレーキローター制動力はOKだが重量が重いのが今後の課題。4kgの軽量が目標。後輪用ローターも340mmと大径だが、重い。(※写真右)
これがZ06用6ピストンキャリパー。パッドは6枚タイプ、重量は4kgと優秀だが、2ピースローターの場合ベルとの接触が問題。対策を検討中。(※写真左)
すっきり見える後輪付近。軽合金フレームへのアッパーアームの取り付け方法がノーマルC6とは明らかに異なる。大きくえぐれたアッパーアーム形状はコイルサス取付けを考慮している。(※写真右)
約20mmの車高調整とミシュランPS2 265/295を装着。合計19kgの軽量の軽量化とPS2の恩恵ではるかに乗りやすくなった。 横からの印象はやはりコルベットの血統を強く感じる。(※写真左)
斜め後ろから。キャンバーはノーマル値に近く設定した。F1弱、R1位。短いリアオーバーハングが特徴。Z06専用ホイールは写真のブロンズとシルバーを発売予定。前後共に19インチ。(※写真右)
Z06専用パーツが入荷し始めた。水温の安定化には欠かせない低温サーモスタット。純正(左側)は86度C設定だが、入荷した低温サーモ(右側)は71度Cになる。最近はサーモの温度表示が摂氏なので分かり易い。左側のカムシャフトはLPE製616馬力KITのもの。ノーマルとほぼ同リフト値だが度数はノーマルより少し高く、カムタイミング調整式ギアが含まれる。四角い箱は同じく616馬力KIT用CPU。アイドリング補正、電動FANの作動温度の再設定、各回転域での空燃費、点火タイミング等が最適化されている。右側のエアークリーナと大容量のMAFセンサー(エアフロ)もKITに含まれる。これらのパーツと上記の1 7/8″サイズのタコ足等をセットで装着することで616馬力が出るか楽しみだ。(※写真左)
Z06専用CORSAマフラーが入荷。材質はSS304らしい。重量は11.2kgで純正とほぼ同じだ。内部構造はストレートに近くあまり消音効果は期待できない感じだが、これまでの装着経験でCORSAはXパイプ等の仕上げ、効率共に良かったのでのテストが楽しみだ。また装着テスト後に内部の分解の予定。アメリカ製のマフラーでは次にBorlaマフラーをテストの予定。静かなタイプとアグレッシブタイプの両方を手配したが、人気があるのか数週間先になるらしい。Borlaは作りが良く、サウンドも良いが重量が気になる。出荷案内では梱包重量で50kgを上回ると記載されていた。(※写真右)
C6用のEXEDYクラッチが入荷した。C6専用との事でC5用との互換性は無く、比較すると厚さが違った。C6のクーぺとZ06は共通。TWINタイプでフライホイール込み重量は16.2kg、ノーマル(写真左側)は同条件で25.7kg有ったので9kg以上の軽量化になる計算だ。(尚、EXEDYクラッチは3セット在庫有りますので即納できます。)ただし心配は吹け上がりは良くなる反面、Z06のエンジン特性からみてスタート時がややナーバスになるかも知れない。ノーマルより約4kg軽量加工したフライホイールも含め、25.7kg、21.8kg、とEXEDYの16.2kgの3通りでテストの予定。乗りやすさ、吹け上がりの両面でレポート予定。(※写真左)
Z06専用Bremboブレーキキットが完成した。競技専用となるが、純正ブレーキと比べてキャリパーとローターで20kg近く軽量が達成できた。ベル、ブラケット共には7075材で硬質アルマイト仕上げ。キャリパーは前後MONOブロックで8/4ピストン。ローターは355/345だがオプションで380/355も選択できる。キャリパーOIL容量の最適化で純正マスターシリンダーとの相性も良くABSの作動もOKだ。純正ブレーキは効きもよく低価格だが、特にローターが重いのが問題。特殊形状ベルを作るか、専用ローターを鋳物から作るかだが強度面、コストで難しい問題が有り今後の課題だ。(※写真中央)
写真はリアローターの内側、黒い部分がパーキングブレーキ用ブレーキリング。C5同様、C6コルベットのリアローターはパーキングブレーキ機能を内臓している。純正ローターは鋳鉄の一体構造で問題が無いのだが、アルミベルの場合、アルミでは表面がやわらかく製動力が不十分になる。アルミに鉄を溶射等、色々検討したがコスト面、耐久性、強度面で問題が解決できなかった。最終的に製作したのが徹底的に軽量化、かつ強度も持たせた鉄製ブレーキリングだ。純正のローターと比べて約2kg軽量化できた。因みにアメリカ製のC5ブレーキKITではリアローターベルはアルミ製で通常のアルマイト処理のみであり、装着したが制動力、耐久性は論外だった。近年、C5コルベット等の通販パーツ取り付けが流行っているが、経験上アメリカ製ボルトオンパーツは安価で良い物も有るが、反面疑問な物も少なくないと思う。特に馬力アップパーツは装着前と装着後で2度測定しないとその効果は正確には分からない。また作業前にテックⅡ等のスキャナーでチェックする事が最低限必要だ。(※写真右)