ZR1の最高速度
ZR1の最高速度予測
ZR1のカタログスペックでは最高速度は205マイル(328km/h)となっているが、海外のTESTでも常に320km+/hが記録されているので、325km/h辺りは全く可能と思われる。これはもちろんチューニング無しのZR1の場合だ。
チューニングされたZR1の最高速度について考えてみたい。
まずZR1に搭載されているLS9エンジンは、約6.2Lの排気量で圧縮比は9.0:1となる。ノーマル状態での加給圧は約0.7kg~0.75kg/cmだが、小径プーリーに交換する事等でスーパーチャージャーは19%~50%アップの回転数が可能となる。但しスーパーチャージャーの安全な回転数の範囲となると32%アップ辺りまでが無難だ。19%アップの場合、加給圧は約0.9kg/cmまで可能となり、32%アップとなると約1.1kg/cm近い加給圧となる。これらは改善された吸気Snoutを併用した場合だ。19%アップ=約720馬力の場合ZR1の最高速度は、340Km/h以上は確実に可能となる。32%アップ=800馬力以上では、おそらく360km/h以上まで可能と思われる。
加給エンジン搭載の比較参考データとして、1988年のCallawayスレッジハンマーコルベットの記録をご紹介したい。5.7L Twin Turboエンジンの最高出力は898馬力(通常のエンジンダイナモでの測定値、加給圧は約1.4kg)、車重は約1,590kg。何と409.9km/hを記録した。ブガッティベイロン(1001馬力で400km/h)を上回る記録を、23年前に達成した事になる。更に興味深いのは、エンジンの最高出力がベイロンよりも100馬力以上少ない事だ。2WDとAWDの違いは当然あるが、それを考慮しても速い。最近では900馬力以上のチューニングカーは珍しくないが、約410kmの最高速度を記録した車は少ないと思う。この速度域になると空気抵抗が想像以上の壁になるからだ。
C4以降のコルベットは全長4.5mで車重は約1,500kg前後と比較的に小さく軽いのが特徴だ。現行のZR1ですら実測重量は1,500kgだ。
以上から推測すると、720馬力~800+馬力のZR1の最高速度は、340km/h~360km/h+は可能と思われる。ZR1の場合、クロスレシオトランスミッションなので6速のギア比は0.67:1となる。67cmのタイヤ径、デフのギア比3.42:1、回転数を6,800回転として計算すると、計算上の速度は約375kmとなるので、上記の速度も極めて現実味を帯びてくると云えるだろう。Z06/ZR1は本当に面白い車だとつくづく思う。
2012年式ZR1トランスミッションの5速と6速のギア比が、1ガロンあたりの燃費を2マイル向上させる為に、少し高く変更になったとの記事があった。2011年式までのギア比は0.81と0.67だが適度にクロスして好ましく、特に最高速を狙うにはベストと思う。正にチューニング車用6速トランスミッションだ。
いよいよ車体補強(ロールケージ組み込み)、エンジンダンパー装着、スプリングレートの見直し、CNCポート研磨シリンダーヘッドの交換、カムの交換、加給圧アップ、新型フロントアンダーパネルへの交換、リアウイング装着、前後19インチのTE37とハイグリップタイヤ装着等に取り掛かる。これからが本番チューニングだ。