ZR1実走レポート No.3
矢田部最高速チャレンジのWEST CORVETTE。白いC4は1987年の5.7L Twin Turbo仕様で284kmを記録。赤のC3は285.71kmで1982年度の最高速日本一を達成した。エンジンは454(7.4L) LS6改だったが、三重県から谷田部までの片道650km、往復1300kmを自走した。当時は常磐高速も全線開通前だったため、片道9時間近くを要して徹夜で走ったのが懐かしい。
1986年製作、WEST自作のツインターボエンジン。EFIインテークマニホールド、インタークーラーも全て自作した。基本は1978年式L82エンジンでピストンを交換して圧縮比を9:1に下げた。制御は日本製EFI、追加インジェクターのコントロールはレビックを使用した。加給圧は約1kg/cm。ヘッドはL82だったが、テスト走行時に排圧が原因のサージングでバルブがピストンと接触し破損したため、排気バルブスプリングを強化品に交換して対応した事等を記憶している。25年も前に作ったが、加給用低圧縮シボレーV8エンジンがZR1と共通しているからか、特定の回転域では排気音も似ている様に感じる。ZR1は25年ぶりの加給エンジンとなった。
ZR1のマフラー作業が完成、耐熱布も装着した状態。耐熱布はエンジン始動時に猛烈な煙が発生するが、その甘い様な耐熱布の煙の匂いを嗅ぐと作業の終わりを感じる。同様な作業を30年に渡り行ってきた事になる。
エンジン部分の作業が全て完了した。プラグは高加給圧に合わせ熱価を8番もしくはIT24とした。
リアDiffuserとマフラー、Diffuserの開口部にマフラーカッターが位置する様に合わせた。その後のテストで音量、性能共にかなり満足のいく結果になったが、市販品はカッター(出口部分)を改善予定。次の試作マフラーは軽量砲弾タイプマフラーの装着と実走テストの予定。
リアフェンダー内の様子。リアDiffuser取り付け箇所の補強等が終わってインナーフェンダーを取り付けた状態。フロントのカーボンスポイラーと同様に約70kgの大人2人がぶら下がれる強度を確保した。Z06/ZR1共に前後バンパーが軟で、特にZ06のフロントは高速走行時にバンパー下側が変形する。試しにZ06のフロントバンパー下側を手で押してみれば「ぐにゃ」とした軟さが確認できる。ZR1はフロントバンパー内側に純正でマウスピースの様な補強パーツが新車装着されたが、今後これをZ06に装着したいと考えている。因みにこの部品はGM純正部品とKatech社から同じ形状の製品が発売されているが、Katech社の製品の方が厚くて剛性が高い。
ようやくリフトから降りた。この後テスト走行となったが、スーパーチャジャーの洗礼を受ける事になる。高回転での加給圧の不安定さ等の症状が出たが解決した。走りはこれまでのコルベットで最も速い。
TPMS タイヤ圧センサーのセットアップの様子。タイヤ/ホイールを交換する場合は空気圧センサーが四輪の必ず元の位置(前後左右)になる様装着するか、新たにセットアップが必要。また新品センサーを使用の場合も同様の手順となる。
車高の最新バージョン。変更は後ろを少し上げ、前を少し下げた。この状態でもショックアブソーバーのストロークは50mm近くを残し十分余裕がある。テスト走行を行ったが走行安定性が格段に向上した。ナックル変更による低重心化とダウンフォースが有効に効いているようだ。かなりの高速域まで踏んだが従来とは完全にレベルの違う安定した走りになった。また排気音もアイドリングと低速ではノーマルと同程度に低く乗り易いが、3000回転を超えるとスーパーチャジャー作動音の高まりと共にジェット音に似た排気音になった。