ZR1実走レポート No.1
1976年からコルベットに乗り続けてきたので35年乗り続けた事になった。目標はコルベット、できればMTを50年以上乗り続けたいと考えている。
ZR1とZ06を色々な角度から比較検証と、実走行テストを行うことにした。
また近日中にWEST 620馬力チューニングZ06(重量1,348kg)と648馬力ノーマルZR1(重量1,470kg)の”真剣勝負”も行う予定。
まずZR1は車検証の重量が1,520kg、対してZ06は1,440kgとなっているが、正確にコーナーWt計で測定した数値は約1,470kgと約1,390となった。これは燃料が少量だった数値。ZR1の主な重量増はスーパーチャージャーとその補器類タイヤ、ホイールもサイズアップに伴い重量は増えた。
ZR1のタイヤ/ホイールの実測値だが、F27kg、R30kgとかなり重い。因みに履き替えたPS2 275/325と同サイズのEUROCROSSホイールの組み合わせではF20.5kg、R25kg。一台分4本では何と約23kgも軽くなった。
やはりGM純正ホイールとランフラットタイヤは重いことを再確認した。
ブレーキはCCM(カーボン/セラミック)の恩恵でローターは軽いが、キャリパー単体では前後で4.7kgと3.5kgと大きさが重量に反映している。パッド等を含めるとそれぞれ7.3kgと4.7kgとなりかなり重いが、それでもZ06のブレーキに比べるとはるかに軽い。(Z06の前輪ローターはZR1の前輪ローターの約2倍の重量)
その他としてはスパーチャージャー本体、水冷式インタークーラー、Dualクラッチ、助手席パワーシート等で重量増加になったと思われる。
内装関係では本革張りのダッシュパネルやドアーパネルが質感共に良くなった。
ルーフ等のカーボンパネルは、特に照明の下ではやや赤みを感じる。
走りは意外に足の硬さを感じたが、30 / 25扁平のランフラットタイヤのせいらしい。後でタイヤを普通のPS2に交換したところそうでもなかった。因みにZ06とZR1のリーフスプリングを入手して調べたが、品番、レート共に共通らしい。実際にリーフの厚さも測定したが差は確認できなかった。
実際の走行では、水冷式OIL クーラーの採用で水温88度、油温97度と高めではあるが油温が水温を上回って正常になった。(Z06は逆で水温が油温を上回った為、対策を要した。)但し気温9度の寒い日に高速道路を流した数値なので、水温88度は80度~85度程度になるよう熱対策を行う予定。
その他として気になったのはタイヤの走高音が大きい事と、過敏なハンドリングだ。標準タイヤはミシュランのPS2ランフラットで前後が285/335と立派なサイズだが、特に285mmはフロントタイヤとしてはかなり大きい。他のスポーツカーではまず標準採用された例の無いサイズとなる。
おそらくサーキット走行でのタイムアップを狙ったものと思われるが、一般道では率直に言って乗り難く感じた。100km前後でも意外にスピード感があり、よく言えば敏感だが気を使い安定感を欠く。5年間乗り続けてきたZ06はRE11を装着しているが、はるかに乗り易い。ZR1を試しに高速で踏んでみたが最後まで踏めない、というのが率直な感想だ。これではチューニングして700馬力オーバーを狙う事より、この過敏なハンドリングを改善したいと感じるのは私だけではないと思う。
それと低速でハンドルを切るとLSDの作動音が大きい。 LS9の高出力に対応してLSDのスプリング等が強化されたと思われる。因みに2010年にZR1のデフを入手して分解後、O.S 技研製スーパートラクションLSDの組み込み作業を行ったが、ゲトラグ製LSDの外見からはZ06の物との違いは特に無かったと記憶しているので内部が強化変更されたのだろう。
Z06と比較して良くなった点は、全体にカッチリ感がある。おそらくカタログには掲載されない改良が施されたと思われる。
同様な傾向はC4,C5でも見られた。特にC4初期型(84年から87年式等)と最終型の1994~1996では、運転した時の感じがかなり違った事を記憶している。
まずタイヤとホイールを替えてみた。サイズは上記の275/325のPS2、これはランフラットではなく通常のタイヤで前後とも10mmづつサイズダウン、ホイールはEURO CROSS 19-10.0Jと20-12.0J。ZR1純正と同サイズでインセットのみ変更して少し外側に出る。同時にタイヤの空気圧センサーの再セッティングも行ったが、これは最近の車では必ず必要。
さてテスト走行の結果は、がらりと走りが変わった。(空気圧は純正指示通りの2.1kgに設定)RE11 と同等とは言えないが、最初に比べてはるかに乗り易くなった。ZR1特有の過敏さが、ほぼ消えたと言っても過言ではないと思う。タイヤを外した時に横に並べてみたが、前輪の275と285は2cm近く差があり驚いた。後輪の325と335は、ほぼ同じ幅だった。やはり前輪の幅が285mmと大きい事が一因と判断した。
次は車高を1インチ+下げる作業と、ビルシュタインショックアブソーバーへの交換作業に着手した。車高を下げて再アライメント調整後、走りがどの様に変わるかを実走テストの予定。