アンダーパネルの効果と水温
試作アンダーパネルの効果
試作アンダーパネルの実走TESTを行った。先週末は台風の影響で雨が多く、ようやく晴れ間が見えたのは昨日の午後3時過ぎになった。今日は朝から晴れ上がり、気温も26~28度と涼しく絶好のTEST日和となった。
高速道路を含む約100kmを走行したが、接地感が確実に増え、いつもの高速コーナーへの進入でもより踏めた。その後交通量の少ない高速道路へ向かったが、以前より感じていた(Z06、ZR1共に)4速 5,000回転辺りでの車線変更時の「緩さ」が確実に減り、より吸い付く様な走りになった。Z06/ZR1共に車重が軽い割にはタイヤサイズが大きいので、接地感の乏しい感じが「緩さ」に繋がると一因と云える。その改善にはサスセッティングの見直しと、より確実な(大きな)ダウンフォースが不可欠と確信した。
今日はZR1で100kmのTEST走行を終えた後、タイヤの面圧チェックの目的で、あえて重い車で同じTESTコースを試走してみたが、接地感があり楽に踏める様に感じた。実際にZR1の4速 6,500回転辺りまで踏んだが、まったくリラックスして走れたが、率直に言って驚いた。
ところでこの車は、255サイズの前輪タイヤだが、車重が2tを超えるので前輪には590kg/本の荷重が掛かる事になる。因みにZ06は275サイズの前輪に約380kg/本となる。ZR1は285サイズで約420kg/本となる。
上記の通り約600kg軽いZ06/ZR1だが、逆にタイヤサイズは20~30mmも大きいというのが現状だ。しかもZR1の285という前輪サイズは市販車中 最も大きい。これではタイヤの面圧が小さくなり、接地感が乏しくなるはずだ。この様に日本車やドイツ車に比べて、おおらかな設計ともいえるアメリカ車を、同じステージで速く走らせようとしている事になる。Z06/ZR1にはダウンフォースで安定性を得る事は不可欠と改めて実感した。
最後にZ06/ZR1はタイヤで走行安定性が大きく変わる。具体的にはタイヤ銘柄とタイヤサイズと空気圧だ。タイヤの選定と空気圧チェックは大切だ。
更に確実なダウンフォースや剛性アップを付加する事で、Z06/ZR1はより走りが楽しくなる。
Z06/ZR1用アンダーパネルは改良を加えて更にTESTの後、11月に発売予定だ。
大容量水冷インタークーラー装着後の水温
予測した事とはいえ、やはり水温は上昇した。
今日は秋を思わせる涼しさで、外気温は26度で高速道路本線上でも28度と低かった。TEST走行での水温は79度~86度辺りを上下した。高出力のZR1としては低いと云えなくもないが、今日の走行状態や外気温では思ったより高くなったのは事実で、例えば夏期のサーキット走行や六甲等は厳しいと思われる。インタークーラー、エアコンコンデンサー、ラジエターの3重配置は、装着位置 再検討の必要があると判断した。
因みに油温は92~98度辺りを保った。油温は水温+10~15度辺り、必ず90度以上に保ちたい。
最後に、走りは更に速くなったと感じたが、気温が低かったこともあるので、測定しないと明確な差は難しい。明日のTESTでは空燃比とインタークーラーの水温チェックの予定だ。ZR1で720+馬力の4,000回転以上では、タイヤの限界を感じさせる走りの領域に、入り込んでいると改めて感じた。足の煮詰めとダウンフォースの助けは不可欠だと思う。
ともかく確実なダウンフォースも加わり、より走りが楽しくなったのは確かだ。
Z06/ZR1の高速安定性には、アンダーボデーの空気の流れが予想以上に大きく影響するようだ。