Z06/ZR1のクーリングシステム改善
Z06/ZR1のクーリングシステム改善作業
先週よりZR1のKatech製水冷式インタークーラー(冷却用Heat Exchnager)の再取り付け作業を行ってきたが、概ね完了しフロントバンパーカバー装着を残すのみとなった。その状態でエンジンを始動して、ラジエター及び水冷式インタークーラーの冷却水の水温をチェックと漏れの確認をした。結果は再取り付け作業の効果があったと判断できた。後は週末のTEST走行で確認予定。
さてZ06/ZR1共に熱対策といえば、低温サーモスタットの装着に始まり、大容量ラジエターへの交換、Hoodの熱気抜き改造等でほぼ終了となる事が多いが、細かい所の煮詰め等で、まだまだ冷却能力をアップ出来ることが、今回の作業でも確認できた。
まず4月頃より11月頃までとの前提付きだが、クーラントの見直しでかなりの水温低下の効果があった。GM車の場合、クーラントとしては優れた性能のデキシクールを使用しているが、夏場には真水に交換した方が熱対策になった。但し実際には真水だけでなく、防錆効果等のあるラジエター用クーリング剤の使用が無難だ。また消泡剤を含むタイプは冷却能力アップには更に有効だった。冬季はクーラントで、春から晩秋は上記の様にクーリング剤となると、入れ替えがやや面倒だが、その価値は十分にあった。
3月下旬頃にクーリング剤と真水に入れ替え、年末の11月下旬頃クーランとを付加すれば、翌年の3月下旬頃まではそのままだ。3月下旬頃に再びクーリング剤と真水に入れ替えるとすると、要は1年に一回の入れ替えとなる。冬場は外気温が低いので水温が上昇しないのと、凍結の危険性があるのでクーラントは必要だ。
クーリング剤をクーラントに混入する事も可能だが、特に夏場は水温低下の効果は劣ったと感じた。
箇条書きにすると、下記のようになった。上から水温低下の効果が大きい順。
- クーリング剤+真水
- 真水
- クーラント+クーリング剤+真水
- クーラント+真水
Z06/ZR1等C6コルベットは、ほぼ同型のファンシュラウドが装着されているが、この通風を見直す事も効果があった。例えば助手席側のFanモジュールは、ラジエター直後に塞ぐようにマウントされているのも気になる。冷却能力のアップのポイントとして、冷却風を入れることと同時に、より排出(抜く)する事を重要視することで、確実に冷却能力をアップ出来る。
水温は85度辺りまで、油温は+10~15度の95度~100度辺りまでが大原則。
「水温が110度まで上がったけれど、特に問題は無かった」との話も聞くが、問題が生じてからでは手遅れだ。
また水温100度超では、ECM(エンジン制御コンピュータ)がエンジン保護の為に点火タイミングを遅らせるので、パワーダウンとなり本来のPerformanceは発揮できない。
Z06/ZR1共に、小さなエンジンルームに大排気量エンジンを搭載、ラジエターはボデー形状の為に斜めにマウントされている等々、冷却には不利な条件が重なっている。Z06/ZR1チューニングは、エンジンを適正水温に保つ事が第一歩だ。