Z06実走レポート No.22
6月でZ06が納車されてから丸3年が経過した。もっぱらテストカーとして使用したので走行距離は9100kmとあまり伸びていない。
因みにテストカーとして導入した97年のC5は3年間で2000km程度、2000年のZ51はやはり3年間で5000kmだった。
まず3年間の故障は意外と少なかった。
- ヘッドライト自動点灯の作動が遅い→対策無し、トンネルを出てから点灯するのにはまいった。
- 今年になってからクラッチの切れが悪くなった。→マスターシリンダーの交換で治った。
- 6月8日にルーフ剥がれた。→これはリコール対象としてルーフパネルの交換された。
- OIL漏れ→エンジン少々、ミッション無し、デフ無しエンジンOIL漏れは主にOILパンのBolt付近だった。増し締めしたが僅かな滲みが続いている。ガレージの床に漏れたOILが見当たらない程度なので様子見している。
- エンジンはいたって好調、近日中に出力測定の予定。因みにグラフはカム交換したお客様のZ06で595馬力を実測定した。
最近の変更箇所
(1). TOYO R888タイヤ装着、テスト的に295/30ZR18と335/30ZR18を装着
Z06のタイヤ探しは意外と難しい。特に後輪の325/30ZR19は設定が少ない。ミシュラン、BS、と試したがTOYO R888タイヤに落ち着いた。基本的にSタイヤなのだが、意外に乗り易く直進性もすぐれている。またサーキットでのスポーツ走行も可能だ。
空気圧は冷間時で2kg位(通常の空気で)で走っている。
(2). Z06の09仕様に装着されている大容量OILタンク
’09のZ06とZR1はドライサンプのOILタンク容量が拡大した。写真は試作で容量アップ加工した物だ。ニュルを走行したZR1のビデオ画像を見たが、連続7分以上の全開走行にも関わらずブレーキと水温、油温が全く問題なさそうなのは流石だ。Z06にも大容量OILタンクは必要だ。
(3). レカロSPAシート装着
着座位置は25mm程度下がった。もちろん調整式サイドブラケットなので高くすることも可能だ。バケットシートの割には快適性もあり4~5時間程度の走行なら全く問題ない。良かった事は後輪の動きが敏感に察知できる感じが増した。またペダル操作が楽になり走りが楽しくなった。かなりの高速域での話だが、より踏めるようになった。
(4). 防音対策
これは効いた。雑音が減少し高回転でのエンジン音はきれいになった。リアラゲッジ、フロアー、ドア、ルーフにデドニングKITを組み込んだ。かなりの作業時間を要したが、すばらしい快適性が得られた。前から思っていたが、コルベットは樹脂製のフロアーパン等の構造の為異音、雑音が多い。防音対策はお奨めだ。
(5). コーナーWt測定
C4時代よりコーナーウエイトを測定してきたが、Z06が最も優れていると思う。上記はドライバー無しで燃料も少々の状態だが、ドライバーが乗った状態でもかなり優秀な数値に収まった。
(6). 排気管全体を耐熱布で巻いた
出力に関しては不明だが、排気音が穏やかになったのと、コンソールBOXの中が熱くならなくなった。
(7). 補助スプリング付きショックアブソーバーへの交換
これも効いた。スポーツカーとして楽しく乗り易くなった。
(8). ルーフパネルの取り付け補強
実はZ06もルーフパネルが外せる。Z06はルーフが一体のフレームではなく、ノーマルC6と同様の構造を基本として単にルーフをBOltで固定している。このBoltサイズがM6と細い。取り外したのを機にM8にサイズアップした。
(9). トリプルカーボン強化クラッチ装着
620馬力エンジンにTOYO R888 Sタイヤで走っていたがノーマルクラッチが滑った。特に高回転で滑りが頻発するようになったので交換した。交換後の第一印象は、踏力が重い、切れはいいが位置に違和感がある、半クラッチができず発進が難しかった。何とかしようと試行錯誤の後、クラッチペダルAssyをブラケットごと改善した。
結果的にノーマルクラッチペダルの80%程度の軽さで半クラッチも可能、乗り易くなった。
(10). クラッチペダルの改良とクラッチペダルの踏力測定C3からZ06まで全て測定した。
参考数値(測定の平均値)
- WEST Z06 トリプルカーボン 8kg
- Z06ノーマル 12.5kg
- Tiltonレース用カーボンクラッチ 25.5kg
- C3センターフォースSB用 17kg
- C4センターフォースクラッチ 17.5kg
- C5ノーマル 15.5kg
- Z06用国産のメタルツインクラッチ 19kg
(11). フットレストを製作した。
元のフットレストの上に重ねて取り付けるタイプだが、より大きく、しっかりした造りなので、左足が充分踏ん張れる。峠やサーキットでは、効果がある。
(12). Z06用ドライカーボンフードを塗装した。
(13). ZR1の部品が入荷した。
待望のZR1部品が入荷した。GMの11条申請等のせいか、部品の入手が遅れる状態が続いていた。特にZR1の部品は入手が困難だった。
(1). カーボン製フロントSplitter(スポィラー)とカーボン製サイドスカート
格好いい!というのが第一印象。Z06のものより2cm程度下がる。またフロントのダウンフォースも得られそうな形状だ。但しかなり薄いので変形と破損を考慮して補強の必要がある。写真はZ06のフロント部分だがバンパー下部を吊っている。理由は高速でこの部分が下に
垂れるのを防ぐ為だ。特にZR1のSplitterを装着するとダウンフォースが得られるだけに、この部分への負担も増える事が予測できる。
(2). ZR1用 6速クロスレシオトランスミッション
ギア比を確認してほっとした。間違いなく2.29から始まるクロスレシオのトランスミッションだ。早速Z06に搭載する予定。ミッション外観から大きな違いは見当たらない。シンクロの強化、シャフトの強化、ギア比がクロスになった等がZ06用ミッションと違う所だ。
(3). ZR1用強化デフAssy
まずデフのケースが変わった。アルミ鋳物製だがリブが増え剛性アップが図られたようだ。シャフトサイズ等も変わったらしいが、外からは見分けが付かないので早速分解の予定。その他の外観からの変更点としてデフOILクーラーの配管が変わったようだ。
(4). ZR1のLS9エンジン
GMパーツからZR1用のLS9エンジンが早くも発売になった。少々高価だがZ06に搭載を検討している。